よくある質問について、代表の山上浩明がお答えします。
古木を使ってみたい
- 実際に古木を都内で見られますか。
- はい。東京支社はショールームとしての機能もあります。予約制なので、事前にご連絡いただければご案内します!場所は山種美術館の裏ですから、美術館にいらっしゃることがあればぜひご検討ください。駐車場もありますが、要確認です。駅は広尾より恵比寿の方が近いです。長野と小諸にはFEAT.SPACEという自社運営の施設もあります。そちらも是非お立ち寄りください。
ひょっとすると、山翠舎が施工を手がけた店舗がお近くにあるかもしれません。山翠舎の施工事例のMapがあるので、検索してみてください。
https://www.sansui-sha.jp/map/ - 古木のサンプルはいただけますか。
- はい。数種類の古木のカットサンプルを常時用意しています。ご要望に合わせた古木サンプルをおつくりすることも可能です。お気軽にお問い合わせフォームからお問い合わせください。
https://www.sansui-sha.jp/contact/ - 家具制作の場合、納品まではどんな流れになりますか。
- まず実現したいイメージを伺って、古木を選定し、使う材を確定します。加工が必要であれば加工して、出荷します。場合によっては、既製品家具よりも、早く納品できる可能性もありますよ(笑)
- 古木を選ぶプロセスを教えてください。
- ご要望のイメージに合わせて、古木のプロフェッショナルが候補となりそうな古木を提案します。自分のお店を開くとき、自分で家具をつくるとき、こういうものにしたいとうコンセプトやアイデアはあるはずです。その想いに対してふさわしい古木を選ぶことができます。こういった選定ができるのは山翠舎のみだと自負しています。
ご検討いただく際に、デザイナーや建築の方々には3Dデータを見ていただくことをおすすめしています。古木は一本一本、形や色が異なり、大きくて重いので、移動や輸送が簡単ではありません。今、建築家の坂茂さんとご一緒してる能登のプロジェクトでも、3Dスキャニングを導入して、やりとりがとてもスムーズになりました。
古木をストックしている大町倉庫にも、事前にリクエストいただければ来ていただくことも可能です。2025年からは定期的な大町倉庫見学会も開催しようと思っているので、そちらも気にかけてもらえたら嬉しいです。
- 古木1本当たりの平均販売価格はどれくらいですか。
- 古木は一本一本違うので、希少性によって値段はだいぶ変わります。1本10万円からと考えていただければ。個人への直接販売はあまりしていませんが、業者価格は別途設定しています。
- 古木にどんな加工を施してくれますか。
- 古木と新材、既存の材を組み合わせた施工も得意ですし、工場加工から手作業の刻みまで、幅広く対応します。加工において、山翠舎の価値はやはり「目利き」の部分でしょう。まず良いものを仕入れて、ふさわしい補修や加工をして、その古木がもつ本来の魅力を引き立たせることができます。現場では組み立てと設置だけで、それ以外は工場でやるようなイメージです。山翠舎は古木のAmazonプライムを目指しています。
- 不燃処理はできますか。
- はい。ホウ酸など染み込ませまるので、重たくなりますが・・・
- 構造として使えますか。
- もちろん、構造材としても使用できます。例えば、「竹林庵みずの別邸」です。ご希望であれば、構造計算もできますし、3Dデータ共有することも可能です。「voco大阪セントラル」(設計:NAO Taniyama & Associates)や「T-HOUSE New Balance(蔵移築工事)」(内装:スキーマ建築計画、構造:オンデザイン)、養命酒のプロジェクトなどでは構造計算をするなど、設計者の要求する安全レベルに応えています。
- 何に使うのが最も適していると思いますか。
- 梁と柱。元々がそのように使われているので
古木を使った店舗の開業を検討中
- 事業計画から相談に乗ってくれるというのは本当ですか。
- はい。実はOASISを開始する以前から、事業計画の作成支援をやっています。というのも、山翠舎のメインワークである古木の内装工事のお客さんの多くが料理人で、500万、1,000万で店舗をつくってほしいという依頼がほとんどだったんです。予算はカローラなのに、ベンツがほしいと言われる。そのものがいくらかかかるのか、皆知らないだけで、悪意はないんですけれど、無茶ぶりが厳しかったんですよ。でも、だからって、つくりたいものがつくれない、できないというわけではなく、自己資金があれば借入もできますよということをお伝えしたいと思いました。施工や設計のもっと前から、相談に乗ろうと思ったわけです。
- 法人ではなく個人でも取引きしてくれますか。
- もちろんです!
- 店舗内装の設計から施工までの費用感を教えてください。
- 坪100万円前後。生ビール280円のような、客単価2,000〜3,000円のお店はあまりつくっていません。だいたい、5,000〜8,000円くらいからのお店をイメージしていただければ良いかと。ひとつ言えるのは、10年続くお店は100%、空間にお金をかけているということです。
- 店舗ができるまでのスケジュール感は?
- 店舗の内装工事はおよそ3ヶ月。1.5ヶ月設計。1.5ヶ月施工。
- 施工後のメンテナンスはしてくれますか。
- 得意です!やむなく店舗を解体するときには、古木を引き取りたいとも思ってます。いつでも古木のことなら山翠舎にご相談ください!
- 物件の現状を一緒に確認してくれますか。
- もちろんです!最初の打ち合わせが終わったら、一緒に現場も確認します。私たちの目標は潰れないお店づくりです。あまり知られていないことですが、飲食店の敷金は家賃の8ヶ月分が相場ですよ。だから、計画的に貯金をしてきたのに、いざオープンとなったら、不動産屋さんへの支払いが思ったより大きくなってしまい、内装費用に皺寄せがきてしまう、なんてことがよくあります。そんなの知らない人が悪いと言う人もいるでしょうけれど、個人的にはその制度自体、疑問に思うので、なるべく情報を開示していきたいと思っています。私たちは仲介ではなく、リソースの最大化を図りたいからこそ、総合請負としてOASISという事業を生み出しました。器と空間には魔法がかけられます。最初の段階で内装にコストを割けるように、できる限り一緒に知恵を絞りたいんです。持続的な経営ができる、よいお店づくりを目指しています。
- 物件を紹介してくれますか。
- 長野の善光寺や小諸エリアは強いので、ぜひ聞いてください。おすすめの物件があります。ほかのエリアの場合は提携している不動産会社を紹介します。
- 居抜きでも対応可能?
- 対応します。ただ、居抜きは上級者向けですよ。本当に良い物件ならラッキーだと思いますが、居抜きになってしまった理由、ダメになった理由を把握することが大事です。何が良くないのか、なんで居抜きのような状況が生まれたのか、疑った方がいい。博打的な要素があり、即断即決も求められます。
- 設計だけも依頼可能?
- いいえ。基本的にはやっていません。施工を前提に、工事の付加サービスとしてデザインをお手伝いさせていただいています。大工さんや職人さんに切目ない仕事をつくること、それが先代からずっと山翠舎が取り組んできたことです。設計に関して言えば、一緒にプロジェクトをしてくれるデザイナーや設計者を大募集しています。
- 什器や看板だけでも依頼可能?
- はい、可能です。ただ規模が小さいと、単価が上がることはご理解いただければ幸いです。人件費がありますから。
- 対応エリアは決まっていますか。
- 基本的に、施工は首都圏と長野県が中心となりますが、規模が大きい仕事は北海道や山形、大阪でもやっています。山翠舎の代わりに施工業者を紹介することもできます。九州のお仕事はまだあまりないので、問い合わせ待ってます!
- 海外でも対応してくれますか。
- 現在、海外は、什器やプロダクトメインで展開しています。海外での施工は自社できません。できる方をご紹介します。
古民家
- そもそも、古民家って何ですか。
- 1945年より前に建てられた家や蔵を古民家と呼んでいます。特徴は、基礎がコンクリートではなく、石でつくられていること。それから、使用されている木材がすべて、国産の無垢材です。かつ、昔は冬季の下弦から新月までのおおよそ2週間で伐採していました。この時期に伐採すると、虫やカビが発しづらく、硬くて長持ちすると言われています。さらに、ひとつひとつの家に合わせて大工さんが手作業で加工して、それから、長い年月をかけて自然乾燥されて、今にいたります。今ではできないことというか、とても貴重な資源に思いますよね、古木も古民家も。
- 解体と移築の想定費用、期間をそれぞれ教えてくれますか。
- 規模や状態によりますが、解体だけならば、3〜4週間で500万円程度です。ただ、家に残されているものがあると、もっとかかります。たいてい、ものがたくさんあるのがボトルネックになりますから。移築は最低1億円。最速でも1年かかります。案件に大きくよるので、個別でお問い合わせいただけたら嬉しいです。
- なんのために古民家活用事業をしているんですか?
- 古民家に価値があると思うからです。活用されていないのがもったいないと思うからです。100年、200年そこに建っていられたんですよ。壊すなんてもったいない。時間は買えないんですから。
- 山翠舎の古民家事業がほかとは違う点はなんですか。
- 山翠舎が対象としている古民家は、建物本体が1945年以前の木造建造物で、古木の引き取り可能な物件とさせていただいてます。古木の買取ができるため、古民家の解体費用を古木の買い取り費用で補填することができ、解体費用を抑えることができます。
解体は、大切に使われてきた建物へ感謝の気持ちをこめて、解体清祓(ルビ:かいたいきよばらい)や持ち主の方へのインタビューも行います。築年数や構造など古民家の歴史を調査し、引き取った古木一本一本へのナンバリングします。
古民家のプロジェクトは進みにくい要素が非常に多いので、プロジェクトに深く踏み込んで全体を把握することが必要です。山翠舎の古民家と開業支援の知識を活かして、事業者の方とプロジェクトの実現を進めていくことができます。 - 代表的な古民家事業にはどんなものがありますか。
- 小諸市の合間や長野市のFEAT.SPACEも解体予定の古民家を借りて、テナントに貸しています。古い古民家は遺物残留や、家賃滞納で居座っている住人がいるなど、オーナー以外にはなかなか見えてこない課題があります。設計施工のプロだからこそ、具体的に動き、応えられる課題があるのではと思っています。
山翠舎
- 山翠舎の事業を一言で言うと?
- お客様のつくりたい空間を実現すること。助言や相談を受けて終わりではなく、実際に汗水流してものに落とし込む会社です。創業100年の会社ですが、基本的には「寄り添う」スタンスで事業を広げてきているかと思います。
私が山翠舎に入社したときは下請けの施工会社でした。元請けで受注するのに憧れがあり、お客様と会話ができることだけでも幸せでした。私たちのお客様である、設計施工の発注者に料理人が多いことに気づき、料理人が苦手なことを進んでやろうと考えました。例えば、料理人・開業者をとりまく環境はとてもつらい。現在、OASISを通してお手伝いさせていただいている事業計画の作成支援、融資(ファイナンス)は、敷金、家賃8ヶ月分を肩代わりできないか、仲介手数料も2ヶ月以内に抑えられないか、と思ったことが背景にあります。常識を疑いながら、新規事業を考えてきました。その根本は、現状のペインの解消がベースになっていたかと思います。 - 創業者はどんな人でしたか。
- 1930年に私の祖父が建具屋を始め、山上木工所を創業しました。祖父は無骨な人で、マイルドセブンを吸ってましたね。
- 今の山翠舎の社長はどんな人?
- 私ですね、優しい人です。
- 山翠舎の拠点はどこですか。
- 長野市と大町市と、東京は広尾です。運営施設は小諸市にあります。善光寺の近くや街道沿いの古い建物がすきです。
- 山翠舎の強みは?
- 個性的なスタッフや関係者が集まっているところ。古木と同じかもしれません。真面目な回答は、別の資料をみてください。例えば、このwebサイトのIndexやArticleのページでは、これまでにお仕事させていただいた素晴らしい方々をできるだけ紹介したいと思いましたし、古木に興味のあるデザイナーさんや、山翠舎と一緒にプロジェクトをしてみたい人を常に募集しています。対話力、コミュニケーション力が山翠舎の強みだと自負しています。
- 山翠舎の最新情報はどこを見ればいいんでしょうか。
- Webサイト上のブログです。最新情報を知りたい方はメルマガを登録してもらえると嬉しいです。自動的に月2回届きます。
https://www.sansui-sha.co.jp/mail - 山翠舎を応援したいです!
- ありがとうございます!使っていない古民家があったら、紹介してほしいです!
山翠舎が施工した店舗にぜひ訪れてください。私が書いた本も購入して、コメントください。たくさん買っていただき、配っていただけたら嬉しいです。
知恩報恩の精神なので、受けた恩は必ず返します!古木プレゼントとか、あるかも。
古木
- 古木に多い樹種は?
- 松。地松。私の祖父は松治郎です。
- 古木の大きさ、重さは平均的にどれくらいですか。
- 25cm (8寸)の丸太が多いです。樹種や部材にもよるので一概には言えませんが、一般的な長さは3〜4m、20cm四方の小口です。ちなみに、山翠舎が扱う一番大きなものは45cm× 50cm×8〜10mですかね。
- 古木って硬いんですか、やわらかいんですか。
- 硬いです。山翠舎の古木たちは今、伐採時よりもどんどん硬くなっている時期ですね。伐採後、木は時間とともに乾燥が進み強度が増すんです。最古の木造建築とも言われる法隆寺の昭和大修理で出た木材を試験したところ、曲げ・圧縮・硬度などの強度はいずれも200年くらいまでに段々増え、最大30%近くも強くなり、その後1,000年以上をかけて伐採当時の新材と同じ強さに戻ることがわかりました。詳しくは、『法隆寺を支えた木』(西岡常一・小原二郎著、NHK出版、2019年)を見てみてください。
- 古木って匂いは・・・?
- 大きく分けて、2パターンあります。ススのにおいがするものと、しないもの。囲炉裏のある空間か、蔵のものか。蔵のものは匂いません。
- 古木ってどんな色だと思えば良いでしょうか。
- 色は木の色で、色あいは樹種によります。その上で、大きく分けると2種類あります。燻されている煤けた色(囲炉裏)と風化した色(蔵から来たもの)です。
- 古木ってなんですか?世の中にどれくらいあるんでしょう?
- 難しい質問ですね。空き家は800万件、そのうち戦前に建つ古民家は21万件と言われています(*1 )。そこから採取されるのが古材です。基本的に昔の木なので、新月伐採で、無添加。さらに古材の中でも、愛のあるもの、前所有者の想いやストーリー、確かな来歴や品質保証といった付加価値があるものを古木と呼んでいます。
具体的に言えば、手仕事で表面が削られ、燻される、ふたつのエイジング過程が必要条件です。製材や新材は表面が平らで趣がありませんし、戦後になると囲炉裏が使われないので燻されることがないんですよ。
表面の手仕事は熟練大工の、匠のなせる技。エイジングによる風合いに加えて、囲炉裏のススが染み込んでいて深みが増します。塗装は塗り重ねているだけですよね(笑)。古木は最高です。*1 日本政策投資銀行発行「古民家の活用に伴う経済的価値経済的価値創出がもたらす地域活性化」2015年
https://www.dbj.jp/upload/investigate/docs/book1504_01.pdf - 日本の古木と海外の古木に違いはありますか?
- あります。日本の古木は美しいです。まず、海外は金具を使っているので、その部分が錆びて、ホクロのような、シミのようなものがあります。日本は釘を使っていないので、そういうものがありません。色も違いますね。アメリカはグレー系、焦茶色は珍しい。囲炉裏も日本固有の文化ですから煤けた色も日本の古木の特徴です。
- 古木の取り扱い数は?
- 5,000本です。大町倉庫にあります。これから私たちが管理する古民家を100、1,000、10,000と増やしていくと、もっと古木を所有、管理できると思います。
- いつから古木を売ってますか。
- 古材に目をつけて事業化したのは2006年で、古木として売り始めたのは、「古木」と商標登録した2018年です。会社としては1986、7年からオクトパスアーミーの店舗向けに古材を海外から仕入れて加工していました。古くて味わい深い木なんて長野にはたくさんあるのに、わざわざ海外から輸入していた。そういう背景があったので、ソフトバンクを退社し、新規事業をやろうと思ったときに、長野の古民家に眠る古木に目をつけました。
- 古木を使うデメリットは?
- 値段がちょっと高いかもしれません。必要な大きさがすぐ手に入らないかも。水には弱いです。
- 古木って、どれくらい「古」いんですか。
- 150年前後。どこからカウントするのかによるけれど、最も古いものでは文化14年(1817年)の大黒柱です。
- 一番値段が高いのはどんな古木?
- 希少性があり、見た目が美しいものです。謂れがしっかりしているもの。時間がたくさん経過しているもの。樹種で言うと、欅や楢は珍しいです。
- なんで古木事業をしているんですか。
- 私が中学生のときに、山翠舎はわざわざ海外から古い木を輸入して使っていてたのが衝撃だったんでしょうね。
高校時代には、私の通っていた長野高校は制服がなく、いつもジーンズを履いていました。ワンウォッシュから自分の色合いを出していくのが好きで、ダメージ加工はオリジナルの新品より高価でした。デニムを通して、加工やエイジングに惹かれていました。
学研と科学やムーとも読んでいて、自然破壊が嫌だなともなんとなく思っていたような気がします。 - どこから古木を仕入れてるのですか。
- 長野県と新潟県がほとんどですが、能登プロジェクトを通して、能登エリアに建つ立派な古民家からも引き取るようになりました。
- 古木の来歴をなぜ示し始めたのですか。
- 中古のものの気持ち悪さをなくしたかったからです。誰が使っていたかとか、その前の状態がわからないと気持ち悪いと感じることがありました。
- ずばり、古木の魅力はなんでしょう?
- なんと言っても、見てて飽きないことです。同じ古民家でも、同じような使われ方がしている材でも、大工さんの仕事によって木の表面も、形も何もかも変わって、それが長い時間を経て、目の前にあるんですよ。ホゾや仕口。釿、マサカリの跡。日本の古木は海外のものに比べてとても美しいとも思います。釘を打たないので、エイジングも見事です。クラシック音楽に似ていると思うこともあります。
そのほか
- 講演や勉強会の依頼はできますか。
- はい。フォームから問い合わせの依頼をお願いします。有料でお受けしています。
https://www.sansui-sha.jp/contact/ - 求人募集していますか。
- 大募集してます。今の会社はまだまだ発展の余地があると思っているので、自分の能力が発揮できそうと思う人はぜひコンタクトを!社員、副業、リモートなど、コロナ前から多様な働きかたやパートナーシップを実現しています。