お店の紹介

和菓子のイメージを少し変えて、コーヒーに合う餡の提案などお茶菓子も得意とするからこそ作ることができる現代の暮らしにも合わせた和菓子を発信するお店。だからこそ、今までの和菓子屋のイメージとは少し違うシンプルで古木や手作業の跡を感じる塗り壁で仕上げました。
店内のショーケースには本日の和菓子が並び、縁側のようにくつろげる場であれば、という店主の思いから
無垢の板の長いベンチで構成されています。
お客様をお見送りする時のためにカウンターの一部ははねあげ式に。包みや箱などの必要備品もすっきりと収納出来るよう什器を作成しています。
店内に飾られる和菓子作りに使われる木型は、店主のご実家である小田原の和菓子屋さんで使われていたもの。

店主も奥様も和菓子職人であるこの店は、現代の暮らしに合わせた和菓子を置き、いろんな世代の方が来てくれる店に、とあえて一般的にイメージする和菓子屋とは一味違った内外装になっています。

茶道をたしなむ人が少なくなり、和菓子屋さんに求められるニーズも時代とともに変わってきています。

「これまでの経験からも、今自分が一番得意なのはお抹茶に合いお茶席で楽しまれるような練り切りです。でも、自分が仙川に開く店は、それだけではなくて今の町に住む人に楽しんでもらえるような和菓子をおきたい。たとえばコーヒーのお供にぴったりな餡をつかって、生活に寄り添える店を開きたいんです。」

最初の打ち合わせで店主が語った思いが、オープン時には桃のリキュールがほんのりと香る「練り切り桃」として実現しています。

「縁側のように、ふらっと立ち寄れる場所にしたいんです。

たちよって、包むのを待つ間腰掛けたり、荷物を置けるような縁側的なものがある空間に。

そして、お見送りしたり、すぐにカウンターの外へ外に出ていけるような設計が良いです。」

そうおっしゃる奥様の構想は、店内に入ってすぐ左にあるベンチ席になりました。

縁側のように外と中が繋がるように、床はモルタル打ちにして、店内の壁はコンクリートブロックを白く塗装した外装的なテクスチャで演出。

入り口の引き戸は危なくないよう足元のみ板張りにして、大きなガラス面にしています。

オープンし、お二人の構想がスタートし始めた今の段階。

工事段階から通りかかる町の人たちの優しく期待の眼差しで見届けてくださった思いに応えて、年月をかけ町に愛される和菓子屋さんとなることを楽しみにしています。

(デザイン営業部 酒井)